ハードウェア自体はまだ問題なく動くのに、「使用しているWindowsのサポートが切れたから」といってPCを処分するのはもったいないと思いませんか?
そこで注目したいのが、Windowsの互換を目指して開発されている「ReactOS」というオープンソースOSです。
本記事では、ReactOSとは何か?なぜ古いWindows PCの延命に役立つ可能性があるのか?そして今後の未来はどうなるのか? を詳しく解説します。
ReactOSとは?Windows互換を目指した無料のオープンソースOS
ReactOSは、MicrosoftのWindowsとは異なり、ゼロから独自に開発されているオープンソースのOSで最大の特徴は、Windowsと互換性を持つことを目指していることです。
よってWindowsではないものの、次のことを行うことが可能になります。
- Windows XP/Server 2003世代の互換性を目標に開発
- Windows用のEXEファイルを直接実行できる可能性
- UI(見た目)がWindowsに似ており、違和感なく使える
- 完全無料で利用可能
- オープンソースプロジェクトとして開発が進められている
現在はまだアルファ版であり、安定性や互換性には課題がありますが、将来的にWindowsの代替OSとなる可能性を秘めています。
なぜReactOSが古いWindows PCの「起死回生」になるのか?
Windowsのアップデートが進むたびに、「古いPCが対応できない」 という問題が発生します。
特に最近では、Windows 11の「TPM 2.0必須」「Intel第8世代以降対応」などの厳しいハードウェア要件があり、Windows 10のサポート終了後には、多くのPCが「サポート対象外」になってしまいます。
ReactOSが古いPCの延命に向いている理由
ReactOSが古いWindows PCに向いている理由として、次の4点が挙げられます。
軽量なシステム設計
- ReactOSはWindowsと比べて非常に軽量で、古いPCでも快適に動作する可能性がある
- 最小構成なら256MBのRAMと500MBのストレージで動作可能
Windows風の操作性
- 画面のデザインはWindows XPやServer 2003に似ている
- 新しいUIに慣れなくてもスムーズに操作できる
Windowsアプリの互換性
- 互換性は完全ではないが、7-Zip、Notepad++、旧バージョンのFirefoxなどが動作
- 企業向けのレガシーソフトウェアのテスト環境としても利用価値がある
ライセンス不要の無料OS
- Windowsをアップグレードするにはライセンス料がかかる
- ReactOSなら完全無料で利用できる
ReactOSを実際に仮想環境で試してみた
ReactOSは、実機にインストールしなくても仮想環境(VirtualBoxやVMware)で簡単に試せます。
以下の手順でインストールしました。
ReactOSのインストール方法
1.ReactOS公式サイトからISOイメージをダウンロード
2.VirtualBoxをダウンロードしてインストール(無料)
3.仮想マシンを作成
- OSの種類:Windows 2003(32-bit)
- メモリ:1GB
- HDD容量:10GB
4.ReactOSを起動し、インストール
5.デスクトップ画面が表示され、Windows Server 2003風のUIで操作可能に!
詳しい解説動画がYouTubeにありましたので、こちらもご確認ください。
※解説動画ではメモリを512MB、ハードディスクを5GB割り当てています。
ReactOSの使用感
ReactOSの使用感をまとめると次のようになります。
利点
- 起動速度が速く、軽快に動作する
- UIはWindowsに似ていて直感的に操作できる
- 7-Zip、Notepad++などのアプリは動作確認済み
- Firefoxを使用してインターネット閲覧が可能
欠点
- Google Chromeや最新のソフトは動作しないことがある
- まだ開発途中で、不安定な部分もある
よって現時点では完全なWindows互換とは言えないものの、軽快に動作し、試す価値は十分にあるOSです。
ReactOSの未来は?今後の展望と課題
ReactOSがWindowsの代替OSになり得るかどうかは、今後の開発状況にかかっています。
ここでは今後の期待と現在の課題に分けてみていきます。
今後の期待
- 互換性の向上
→より多くのWindowsアプリが動作するようになる可能性 - 64bit対応
→現在は32bit版のみだが、64bit対応が進めば実用性が向上 - 開発の加速
→ReactOSの知名度が上がり、開発者や支援者が増えることで完成が早まる可能性
現在の課題
- 安定性が低く、クラッシュすることがある
- ドライバの互換性が完全ではない
- 最新のWindowsアプリには対応していない
今すぐWindowsの代替として使うには厳しいですが、将来的にはWindowsのサポートが切れたPCを救う選択肢の1つになるかもしれません。
ReactOSで古いWindows PCを延命できる日は来るのかのまとめ
ここまでReactOSについてみてきました。
まとめると、
- ReactOSは、Windows互換を目指して開発中のオープンソースOS
- 軽量で、古いPCでも動作可能な設計
- Windows風のUIで、操作に違和感が少ない
- 現時点では完全なWindows代替にはならないが、今後の開発に期待
ということになります。
ReactOSはまだ発展途上ですが、もし完成すれば「古いWindows PCが起死回生する」可能性を秘めています。
古いPCを手放す前に、一度ReactOSを試してみるのも面白いかもしれませんね!
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